中庭のある家Ⅰ
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第3回浦添市都市景観市長賞受賞
木造指向の施主の希望を入れ耐震、耐台風を考え混構造(沖縄でも一頃流行った)を勧め壁体コンクリート屋根木造小屋組赤瓦葺きを提案し、努めて木造に見せかけるようにしている。
古来の沖縄の住まいは軒の深い大きな勾配屋根で覆われ、壁の存在すら感じさせないものであった。
それによって、室内の適度な暗さが涼しさを感じさせることでもあるが、現代ではなかなか受け入れてもらえない。
明るく涼しくという設計条件を基に中庭を設けることとし、そこからの柔らかい光を各部屋へ導入し、同時に風の抜け道にもなっている。
施主の木造好みもあり、窓、出入口も水回りを除き、全て木製サッシでまとめている。
平面的には、仏壇のある和室と居間の連続、また中庭に面した食事室と居間とのつながりで持って家族のふれあいの場をできるだけ広く大切に考え、空間設定をした。
2階はバルコニーをできるだけ押さえ、屋根を美しく見せる工夫をし、全体を切妻型でまとめ、小屋裏の換気を十分にとると同時に、これまでにない赤瓦屋根の持つ別の魅力を引き出した。